Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖 (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.957 caratteri · 114 schermate
「押しきれ!」
「退くなッ」
と坂の下手へ廻った者も、機を狙って切ッ尖をそろえ、颯、颯、颯然! 真っ黒になってなだれかかる――
剣の光は閃々と乱れて見えたが、その時、ここ、もちの木坂の一地点――ほとんど、人と人と人と人とのかたまりが、一個の野晒をあばき合う狼群のごとく眺められて、さしも、法月弦之丞、どうなってしまったか、その群影に揉みこまれて、しばらくの間というもの、かれの姿を識別しようもない。
が、それも一刻。
ワッとどよみ立ったかと思うと、すべての影がボヤッと隠れた――四、五人斃れた血煙の霧だろう――と見れば刹那に弦之丞の姿、逆風剣の切ッ尖を、上手の者の足もとに薙ぎつけて、まっしぐらに坂の上手へ踊り進んでいる。
逃げるかと見て、追いかけると、不意に、一転して立ちなおった。こんどは地勢を改めて、すべての人数を下へ見おろし、吾から寄って左風剣、右風の剣、無二無三に斬ってまくる。
その鋭刃になぎ立てられ、半数あまりの原士たちが、算をみだし、傷を負って、ドドドッ――と下り勾配へ押し崩れてゆくのを、夜叉のごとく追いかけて、ひとりあまさず斬り伏させずにはやまないかにみえた。