Classici giapponesi con furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Leggi 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) di 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.693 caratteri · 377 schermate
この松前からの城移しの事について、ついでながらいい添えて置く事がある。それは松前の風習として漁夫の妻たるものは多く城下その他へ魚を売りに来るが、『ごろうびつ』という桶の中に白魚という魚を入れて、それを頭上に頂いて、『白魚かエー、白魚かエー、』と言って売り歩く。それをオタタと呼んでいた。このごろうびつという物の起りは、加藤家で城移しをする時、士民共にその手伝いをしたが、松前の漁夫の妻は大きな桶に砂利を入れて運んで城移しの御用を勤めた。その御用櫃といったのを後に訛ってこう言ったものだと伝えられている。これは藩地でもこの地に限る風習で、かの大原女が柴を頂いているように、魚を入れた桶を頂いている姿といい、またその売声といい、一種可笑なものである。
この私の邸は長く住まわないで、その年末には城山の麓の堀の内という、即ち第三の郭中へ更に邸を賜わった。これは父の実家たる菱田というが住んでいたが、この際外へ移ったので、その跡をそのまま賜わったのである。これもかなり旧い邸ではあったが、傘屋町のものに比すれば、聊か好いので、家族等も少々安んじた。この邸は南堀に沿うた土手の下で、土手の上には並松が植っているし、裏面には櫨の木が植っていた。