Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
村の人に貰うた蕎麦もあいにくに尽きてしまいました。木の実でよろしくば進ぜましょう。」
彼は木の実を盆に盛って出した。それは橡の実で、そのままで食ってはすこぶるにがいが、灰汁にしばらく漬けておいて、さらにそれを清水にさらして食うのであると説明した。空腹の叔父はこころみに一つ二つを取って口に入れると、その味は甘く軽く、案外に風味のよいものであったので、これは結構と褒めた上で、遠慮なしにむさぼり食っているのを、僧はやさしい眼をして興あるように眺めていた。
「おまえはお江戸でござりますか。」と、僧は訊いた。
「さようでございます。」
「わたしもお江戸へは三度出たことがありましたが、実に繁昌の地でござりますな。」
「三度も江戸へお下りになったのでございますか。」
「はい。しばらく鎌倉におりましたので……。」と、僧はむかしを偲び顔に答えた。
「道理で、あなたのお言葉の様子がここらの人たちとは違っていると思いました。」と、叔父はうなずいた。
「そうかも知れませぬ。しかし、わたしはこの土地の生れでござります。しかもここの家で生れたのでござります。」
彼はうつむいて、そのやさしい眼を薄くとじた。