Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
その話をきいて、堀部君はいい家へ泊り合せたと思った。粥は高粱の中へ豚の肉を入れたもので、その煮えるのを待ちかねて四、五椀すすり込むと、堀部君のひたいには汗がにじみ出して来た。
「やれ、ありがたい。これで生き返った。」
ほっと息をついて元の部屋へ戻ると、李太郎は竈の下の燃えさしを持って来て、寝床の煖炉に入れてくれた。老人も枯れた高粱の枝をかかえて来て、惜し気もなしに炉の中へたくさん押込んだ。
「多謝、多謝。」
堀部君はしきりに礼を言いながら、炉のあたたまる間、テーブルの前に腰をおろすと、老人も来ていろいろの話をはじめた。ここの家は主人夫婦と、ことし十三になる娘と、別棟に住んでいる雇人二人と、現在のところでは一家内あわせて五人暮らしであるのに、その三人が枕に就いているので、働くものは老人と小娘に過ぎない。仕事のない冬の季節であるからいいようなものの、ほかの季節であったらどうすることも出来ないと、老人は顔を陰らせながら話した。それを気の毒そうに聞いているうちに、外の吹雪はいよいよ暴れて来たらしく、窓の戸をゆする風の音がすさまじく聞えた。
ここらの農家では夜も灯をともさないのが習いで、ふだんならば火縄を吊るしておくに過ぎないのであるが、今夜は客への歓待ぶりに一挺の蝋燭がテーブルの上にともされている。