Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
「さあ、遠慮はいらない。これへ掛けろ。」
「はい、はい。恐れいります。」
一応の辞儀をした上で、角蔵は少しく離れた縁のはしに腰をおろした。お豊はそのそばに立っていた。
「ゆうべは強い風だったな。江戸もこの頃は風が多いが、こっちもなかなか強い風が吹く。ここらは海にむかっているので、江戸よりは暖かそうに思われるが、けさなどは随分寒い。」と、又次郎は晴れた空をあおぎながら言った。
「昨年よりもお寒いようでございます。」と、角蔵も言った。「なにしろ木枯しとかいうのが毎日吹きますので……。」
「むむ。先年来たときよりも寒いようだ。このあいだはお母さまと久助が川崎でお豊に逢ったそうだな。」
「はい、はい。丁度に御新造さまにお目にかかりまして、いろいろ御馳走さまになりました。」
と、お豊はいかにも有難そうに答えた。
ゆうべの木枯しの名残りがまだ幾らか吹き続けているが、東向きの縁先には朝日の光りが流れ込んで、庭の冬木立ちに小鳥のさえずる声がきこえた。夫婦は顔を見合せて、何か言いたいような風情でまた躊躇していたが、やがて思い切ったように角蔵が言いだした。
「若旦那さまの前でこんなことを申上げましては……まことに恐れ入りますが……。