Classici giapponesi con furigana
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おうごんひょう
黄金豹/妖人ゴング
江戸川 乱歩
Leggi 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 153.404 caratteri · 307 schermate
顔だけでも、こんなに大きいのですから、こいつの胴体はどんなにでっかいか、思っただけでも気がへんになりそうです。その胴体が、池のどろの中に深くしずんでいて、頭だけが顔を上にむけて、浮きあがってきたのかもしれません。
いくら、こわさに身がすくんだからといって、このまま、ぐずぐずしていたら、どんなことが起こるかわかりません。巨人の顔が水の中から出たら、どうでしょう。俊一君のからだの百倍もあるような、恐ろしくでっかい顔です。そいつが池の上いっぱいに、ヌーッと出て、ぱっくり口をひらいたら、俊一君なんか、ひとのみです。
俊一君は、逃げるなら、いまだと思い、下っ腹に力を入れて、「なにくそっ!」と、がんばりました。すると、いままで動かなかったからだが、動きだしたではありませんか。
それからは、もう無我夢中でした。死にものぐるいで走ったのです。まるで、ころがるように走ったのです。
俊一君が走りだすといっしょに、恐ろしい音が聞こえてきました。
「ウワン、ウワン、ウワン、ウワン、ウワン、ウワン……。」
俊一君は知りませんでしたが、読者諸君にはおなじみの、あのニコライ堂のかねのような音でした。