Classici giapponesi con furigana
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くろべきょうこく
黒部峡谷
木暮 理太郎
Leggi 黒部峡谷 (くろべきょうこく) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.752 caratteri · 26 schermate
峡谷の森林と温泉
峡谷の森林と温泉
赤石山系にしても奥秩父にしても、又は木曾地方や日光の奥などにしても、今迄経験した範囲内に於ては、自然林の面影が保存されている所であると、闊葉樹帯と針葉樹帯が或高さを界として、互に推移しているのである。麓から山腹にかけて闊葉樹の大森林があり、次に闊葉針葉の混淆林が続き、其上に樺などの闊葉樹を散生した針葉樹の深林が黒々と繁っている。そこに森林の美しさが在ると思った。畢竟山岳地に於ける森林の美観は、少くとも外見上からは、闊葉針葉の樹帯が整然として紊れざることを必要とする。所がこの林相を見慣れた目で黒部峡谷の森林を眺めると、少しく趣を異にしていることに気が付くのである。
黒部の森林は概して闊葉樹が多く、針葉樹に乏しい。いや乏しいのではない、木が皆矮小なのである。従ってあの谷も尾根も真黒に埋めた針葉樹の大森林というものがない、ない訳ではないが思いの外少ないので、今は大分伐採の手が入ったと聞く大井川の上流などとは比較にならないのである。針葉喬木林の大帯が山腹を纏うていないことは、幽邃と森厳の気に欠けているように思われて、どうも物足らぬ感を起させる。