일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いのちのしょや

いのちの初夜

北条 民雄

北条 民雄의 いのちの初夜(いのちのしょや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 31,366자 · 63화면

아오조라 문고

尾田は取りつく島を失った想いであったが、葉と葉の間に見えがくれする垣根を見ると、

「全治する人もあるのでしょうか」

と知らず識らずの中に哀願的にすらなって来るのを、腹立たしく思いながら、やはり訊かねばおれなかった。

「まあ一生懸命に治療してごらんなさい」

男はそう言ってにやりと笑うだけだった。あるいは好意を示した微笑であったかもしれなかったが、尾田には無気味なものに思われた。

二人が着いた所は、大きな病棟の裏側にある風呂場で、すでに若い看護婦が二人で尾田の来るのを待っていた。耳まで被さってしまうような大きなマスクを彼女らはかけていて、それを見ると同時に尾田は、思わず自分の病気を振り返って情けなさが突き上がって来た。

風呂場は病棟と廊下続きで、獣を思わせる嗄れ声やどすどすと歩く足音などが入り乱れて聞こえてきた。尾田がそこへトランクを置くと、彼女らはちらりと尾田の貌を見たが、すぐ視線を外らして、

「消毒しますから……」

とマスクの中で言った。一人が浴槽の蓋を取って片手を浸しながら、

「良いお湯ですわ」

はいれと言うのであろう、そう言ってちらと尾田の方を見た。尾田はあたりを見廻したが、脱衣籠もなく、ただ、片隅に薄汚ない蓙が一枚敷かれてあるきりで、