후리가나로 읽는 일본 고전
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ばちあたり
ばちあたり
山本 周五郎
山本 周五郎의 ばちあたり을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,391자 · 44화면
中川は下宿へ移り、学校を出ると父の事務所へ勤めた。このあいだに敏夫が生れた。姉の順子は私より二つ上、啓三は私と一つ違いであるが、敏夫だけ年がはなれていて、私より十一も下であった。
父の事務所へはいった中川は、半年も経たないうちにやめ、満州へ渡ったということを聞いた。事務所でなにか失敗をしたらしい、詳しいことは知らなかったが、あの年であんなことをするようではあの男の一生も先がみえてる、と父が云ったのを覚えている。年が経ち、戦争になった。父は昭和十八年に死んだが、遺していってくれたものがあるので生活の心配はなかった。啓三は陸軍に取られたが、私は体が弱かったから兵役はのがれ、学徒動員のときにも主任教授の好意で、特別研究生として学校をはなれずに済んだ。
姉は十八の年に矢田家へ嫁した。矢田は日本橋通三丁目でかなり大きな貴金属商を営なんでいたが、十八年の秋に店を閉めて、宮城県の塩釜へ疎開した。そのとき相当多額な品を隠して持っていったらしく、二十四年にいまの室町へ店付きの家を建て、二年ばかり証券業をやったのち、元の商売に返り、いまでは軽井沢と熱海に別荘を持つほどみごとに立ち直った。