후리가나로 읽는 일본 고전
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パンドラのはこ
パンドラの匣
太宰 治의 パンドラの匣(パンドラのはこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,644자 · 386화면
「これを、みんなお読みになったの?」と僕が無遠慮に尋ねたら、津田さんは笑って、
「とても読めるもんじゃないよ。でもこうして並べて置くと、必ず読む時が来るものだ。」と明快に答えたのを、記憶している。
津田さんは在宅だった。相変らず、玄関にも廊下にもお座敷にも、本がぎっしり。少しも変っていない。津田さんも、四年前とおなじだ。もう五十ちかい筈なのに、少しも老けた気配が無い。相変らず、甲高い声で、よくしゃべって、よく笑う。
「大きくなったね。男っぷりもよくなった。R大? 高石君は元気かね。」高石というのは、R大の英語の講師である。
「ええ、いま僕たちに、サムエル・バトラのエレホンを教えているんですけど、なんだか、煮え切らない人ですね。」と僕が思ったままを言ったら、津田さんは眼を丸くして、
「口が悪いね。いまからそんなんじゃ、末が思いやられるね。毎日兄さんと二人で、僕たちの悪口を言ってるんだろう。」
「まあ、そんなところです。」と兄さんは笑いながら言って、「弟は、はじめから、R大を卒業する気はないらしいんです。」
「君の悪影響だよ、それは。何も君、弟さんまで君の道づれにしなくたって、いいじゃないか。