후리가나로 읽는 일본 고전
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ラしのふえ
ラ氏の笛
松永 延造
松永 延造의 ラ氏の笛(ラしのふえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,706자 · 18화면
一
横浜外人居留地の近くに生れ、又、其処で成育した事が何よりの理由となって、私は支那人、印度人、時には埃及人などとさえ、深い友誼を取り交した経験を持っている。そして彼れ等の一人一人が私に示した幾つかの逸事は、何れも温い記憶となって、今尚お私の胸底に生き残り、為す事もない病臥の身(それが現在に於ける私の運命)へ向って、限りない慰めの源を提供するのである。
時は大正×年、秋の初め、場所はB全科病院の長い廊下であった。当時の私は副院長の下に働く臨時雇いの助手であり、面前に立つ私の友は若い印度人(アリヤン)で、極く小さい貿易商の事務員、ラオチャンド氏であった。
彼れの汗で濡れた広い額は丁度雨上りの庭土のように、暗い光りで輝き、濃い眉毛に密接した奥深い眼は、物体の形よりも、寧ろ唯だその影だけを見つめているように、懶う気であった。彼れの鼻は以前にも増して、嶮しく尖り、木で造ったかと思われる程に堅い印象を私に与えた。一カ月以前迄、彼れが小指にはめて居たニッケルの指環――鷲の頭が彫ってある――は、今や彼れの薬指へと移っていた。この事実は彼れが最近、何れ程急激な速度で、痩せ初めたかを、明らかに証拠立てていた。