후리가나로 읽는 일본 고전
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リラのてがみ
リラの手紙
豊田 三郎
豊田 三郎의 リラの手紙(リラのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,702자 · 30화면
久能は千駄木の青江の家に移って卒業論文に取りかかった。同じ科の連中に較べると、かなり遅れていたので、狼狽気味に文献を調べ、此方に来ていない参考書を取り寄せたりした。大学の語学的な片よりを嫌って、その間近の喫茶店などにとぐろを巻いて文学をやる友達のいないのを歎じたり、気焔をあげたりしていたが、実際には創作など発表している先輩がいても、自分の方から頭をさげて行く気にならないで、誰か誘いかける奴はいないかなと待っているだけだった。そんな不徹底さからも当然、将来の生活に不安を覚えて、学業をまるっきりもすてきれず、久能は真面目に講義に出ている友達からノートを借りて写したり、論文のテーマを築きあげたりしていた。するとそこへ三ツ木などが現われて雑誌を始めようとすすめたので、論文と一緒では録なものも書けまい、いや事によったら論文の方はなげ出して了ってもいい、どうせいずれにしても食えないのだと観念して、久能はその同人になり、余り立派でない、創刊号を送り出したのは、その夏の始めだった。併し案の通りその反響は凡んとなく、四号で潰れて了った。久能の記憶に深く残ったのはむしろ「リラの手紙」