후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとつのできごと
一つの出来事
宮本 百合子
宮本 百合子의 一つの出来事(ひとつのできごと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,024자 · 23화면
たださえ彼等の饒舌と、好奇心に僻易(へきえき)しているのに、若し万一上と下とが流通になって、賑やかな女連が、何を書いているのか、面白い字を書くものだなどと寄って来られてはほんとにどうにも仕方のないことになってしまう。
気分が単純なだけしたい放題にさせて置くと図に乗って何をするか分らない。私がいない間に、大切な机の上をいじられたりすることを思うのは、たとい想像だけでも充分に私を脅かさずには置かないことなのである。
ほんとになぜ人間は、純粋に他意なく心から心へと響きわたらないのだろう。なぜ光り動く直覚がないのだろう。なぜもっと触手ある感覚がないのだろう。
こういうことに逢うと私は苦しまずにはいられない。私の性格として、あっちがああ出るならなに拘うものか、こっちもこう出てやれという考えかたは出来ない。そして私の心の中には二重の苦痛が湧くのである。
第一、そういうことに度々逢って渋い思いをしなければならない世の中というやや抽象的な愁しさ。それと同時に、自分がかなり純粋な心で対していた者が、平気でそれを裏切って、私に苦々しい幻滅を味わせずには置かないこと、その幻滅が、何千人の人間の魂から「ありたい」