후리가나로 읽는 일본 고전
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アリゾナのめとら
世界怪奇実話II
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話II(アリゾナのめとら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,877자 · 91화면
先年筆者は、一月元旦に濠洲のシドニイに着き、一月、二月と、われわれの住むこの北半球でいう冬の盛りを彼地で暮らして、南半球の真冬が何んなものであるかを経験している。正確には、それは真冬ではなく、真夏なのだ。赤道を境いに、南北の夏と冬が倒錯する。元日に筆者の発見した濠洲は、眩惑を覚える程強く日光を反射している白い砂浜と、濃い椰子の影との三伏の風景であり、大きな日傘の下に交通巡査が立って、ヘルメット白服の通行人が暑熱に喘いでいるのが、如何にも奇異に感じられたシドニイの街路だった。
南半球では、一月二月は真夏で、七、八が真冬――と言っても、われわれ北半球人が概念するような冬ではないが――に当る。これは南亜も同じことだ。
で、七月の末、ダアバンからケエプ・タウンに到る南亜弗利加の海上である。冬のことで、毎日緑灰色の海が大きく畝り、空は、暗い。濡れた帆布のような重い風が、時どき大粒の雨を運んで、鴎も、この遠い港と港の中間までは船を追って来ないのである。地球の真下に当る黒い海を、放浪の貨物船クラン・マッキンタイア号は、退屈な機関の音を立てて刻むように進んで行く――。