후리가나로 읽는 일본 고전
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まるのうち
丸の内
高浜 虚子
高浜 虚子의 丸の内(まるのうち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,875자 · 46화면
三菱ヶ原の四軒長屋と称えた頃であとは狐狸の住んでいそうな原であった。中には大名屋敷であった時分の築山が、頽廃したままで残っていたりした。有名なお艶殺しのあったのもその時分であった。
その頃は品川から浅草迄通っている鉄道馬車があるばかりであった。急ぐ時でも人力車より早いものは無かった。その人力車も梶棒に両手を合わせて、よっちら/\曳く老車夫が多かった。又乗る客も今の様には急がしくなかった、私が内幸町に通う時でも、そこで用事をすませて帰って来れば、それで一日の用事は済んだ。
或時一人の老車夫の俥に乗って、道々その身の上話を聞きながら行ったことを記憶している。ゆっくり/\車をひいて、身の上話でもする老車夫は、今は春の日永のいなか道に見出す位のものであろう。いなか道でも自動車のいつ驀進して来るかわからぬところではなか/\油断がならぬ。濠端の柳の下を急がず騒がずひいて行く老車夫の車が、ただ一台あるばかりの光景を想像して見ると、如何にのん気な悠長な画図であったかよ。
その時分の丸の内はただ暗く静かに、又さびしく物騒な天地であった。夜分などはこの明治生命の前を通ると、向うは真暗な原っぱで、ただ大空に星が輝いているばかりであった。