일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぼしぞう

久生十蘭短篇選

久生 十蘭

久生 十蘭의 久生十蘭短篇選(ぼしぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,344자 · 96화면

아오조라 문고

公子のほうは平安朝季世の、自信と自尊心を身につけた藤原一門の才女の典型で、膚の色は深く沈んで眉毛が黒々と際立ち、眼は淀まぬ色をたたえて従容と見ひらかれている。肥り肉の豊満な肉体で、痩せて霊的な花世の仏画的な感じと一種の対照をなしている。

いまの言葉でいえば、二人の罪は「尊族殺」の共同正犯というところで、直接に手こそ下さなかったが、刺客を本業にしている雑武士を邸へ呼びこみ、尻込みするのを左右から鞭撻して、花世にとっては親殺し、公子にとっては夫殺しの大業をなしとげたのである。あえて当時の律によるまでもなく、尊族殺が死罪になるのはいうまでもないことだが、比類のない不幸と戦いぬいた、この美しい元気な娘が死刑になるなどとは、誰一人思ってさえいなかった。

寛典に馴れて甘やかされた考えからではなく、妻と娘に殺された、父にして夫なる当の中納言藤原泰文は、かねて放埒無残な行いが多く、極悪人といわざるも、不信心と不徳によって知られた定評のある人物で、名を聞くだけでも眉を顰めるものが少くなかった。のみならず、その妻と娘に現在の父、そうして夫である男を殺させるようにしたのには、徹頭徹尾、泰文のほうに非があるのであって、二人の女性は無理矢理おしつけられ、やむにやまれずそうした手段をとったものである。