후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
久生 十蘭의 久生十蘭短篇選(ぼしぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 48,344자 · 96화면
忠文はそのかみ将門追討の命を受けて武蔵国へ馳せ下ったが、途中で道草を食っているうちに、といっても余儀ない事情によることだが、将門は討ちしずめられ、なんのこともなく京へ帰還した。忠文としてはそれはそれなりに大いに働いたつもりだったが、大納言実頼の差出口で恩賞が沙汰やみになったことを死ぬまで怨んでいた。臨終の床で、
「かならず怨みをはらしてみせる」
などと言わでもの怨みをいうあきらめの悪い死にかたをしたが、忠文が死ぬとすぐ、実頼の息子や娘がつぎつぎに変死した。
平安朝の中期は、竜や、狐狸の妖異や、鳥の面をした異形の鬼魅、そのほか外道頭とか、青女とか、そういった怪物が横行濶歩する天狗魔道界の全盛時代で、極端に冥罰や恠異を恐れたので、それやこそ忠文の死霊の祟りだということになって、以来、忠文を悪霊とか悪霊民部卿とかと呼びならし、忠文の一族を天狗魔道の一味のように気味悪がり、泰文が異常な数理の才にめぐまれていることまで、天狗の助けでもあるかのようにいいふらした。
泰文はこれも面白いと思ったのか、どこかの家で慶事があるとかならず出掛けて行って、
「悪霊民部卿、参上」