일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じんめんそうものがたり

人面瘡物語

田中 貢太郎

田中 貢太郎의 人面瘡物語(じんめんそうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,114자 · 10화면

아오조라 문고

谷崎潤一郎氏に人面疽のことを書いた物語がある。其の原稿はある機会から私の手に入って今に保存されているが、何んでも活動写真の映画にあらわれた女のことに就いて叙述したもので、文学的にはさして意味のあるものでもないが、材料が頗る珍奇であるから、これは何か粉本があるだろうと思って、それとなく注意しているうち、諸国物語を書くことになって種々の随筆をあさっていると、忽ちそれと思われる記録に行き当った。それは怪霊雑記にある話で、幸若舞の家元になった幸若八郎と云うのが、京都へ登って往く途中、木曽路で出会った出来事であった。

木曽の谷には秋が深かった。八郎を乗せた馬は傾斜の緩い石高道を登っていた。路の右側は深い深い渓川になって遙の底の方で水の音がしていた。もう八つさがりで、渓の向側の山脈は冷たい斜陽を帯びて錦繍の地を織っていた。薬研の内側のようになって両方に聳えた山々は、屏風を立てたように碧い空を支えていた。

秋風が近い木の葉をばらばらと云わせて吹いた。其の風は渓の中へ吹きおりて水の音を押え塞ぐようにした。来る路では鹿の声を聞いた処もあった。八郎は馬子と話し話し四辺の眺望に眼をやっていた。