후리가나로 읽는 일본 고전
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ふゆ
冬
芥川 竜之介의 冬(ふゆ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,723자 · 12화면
ある山の手の従兄の家には僕の血を分けた従姉が一人僕を待ち暮らしているはずだった。僕はごみごみした町の中をやっと四谷見附の停留所へ出、満員の電車に乗ることにした。「会わずにひとりいる時には」と言った、妙に力のない老人の言葉は未だに僕の耳に残っていた。それは女の泣き声よりも一層僕には人間的だった。僕は吊り革につかまったまま、夕明りの中に電燈をともした麹町の家々を眺め、今更のように「人さまざま」と云う言葉を思い出さずにはいられなかった。
三十分ばかりたった後、僕は従兄の家の前に立ち、コンクリイトの壁についたベルの鈕へ指をやっていた。かすかに伝わって来るベルの音は玄関の硝子戸の中に電燈をともした。それから年をとった女中が一人細目に硝子戸をあけて見た後、「おや……」何とか間投詞を洩らし、すぐに僕を往来に向った二階の部屋へ案内した。僕はそこのテエブルの上へ外套や帽子を投げ出した時、一時に今まで忘れていた疲れを感じずにはいられなかった。女中は瓦斯暖炉に火をともし、僕一人を部屋の中に残して行った。多少の蒐集癖を持っていた従兄はこの部屋の壁にも二三枚の油画や水彩画をかかげていた。