후리가나로 읽는 일본 고전
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なんきょくき
南極記
久生 十蘭
久生 十蘭의 南極記(なんきょくき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,753자 · 35화면
踏破する氷原というのは、実は大陸の表面にある山嶺や谿谷を埋めつくした大氷床なので、複雑な褶曲を畳んだ峻嶮たる氷の山嶽の間を、氷河の亀裂を迂回しながら、喘ぎ喘ぎ分け登ることをいうのである。南極点を征服するということになると、その困難は想像に絶したものになる。海岸から南極の頂点までの距離は、パリ=ベルリンの一〇七〇粁よりまだ二百粁も遠い。東京と福岡ほどの距離を、犬橇について、九十日から百日ぐらいかかって徒歩で往復するのだが、八十度以南は大氷河についてのぼる無限の氷の段階で、そこで零下七十度以下の寒気に凍てつかされ、秒速三十米の吹雪にたえず吹き悩まされるのである。シャクルトンは、人間が南極の八十度圏内へ入ると、あたかも地球からほかの遊星へ投げこまれたような気がするといっている。「そこでは、行動は、すべて未完成で、幼稚で、所在に主たることを失い、思考作用の空虚と無為は、果てしないものになる。たとえば、歩きながらわれとわが身に話しかけ、その言葉を聞き入るような迂濶な真似をする。八十度圏の彷徨中に起ったことは、あとで思いかえすと、みな緩慢な動作の物憂い幻だったとしか思えない」