후리가나로 읽는 일본 고전
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ねむのきのかげ
合歓木の蔭
山本 周五郎
山本 周五郎의 合歓木の蔭(ねむのきのかげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,740자 · 27화면
奈尾はふしぎな戦慄を感じた。その言葉のずっと奥のほうに、さっきの垣根の外の声が隠れているように思えたのだ。もちろんそんなことがあるはずはない、奈尾はええとうなずいた。
「お待ちしていましたの、どうぞおつれくださいまし」
「そんな薄着でいいのかな」半三郎は包むような眼で見た、「もうすぐ夜露がおりますよ」
「だって、そんなに長くはおりませんわ」
奈尾はとつぜん浮き浮きした声になり、つと自分の手を半三郎の腕にからんだ。
「さあまいりましょう、きれいな月だわ」
夜宴の席は奈尾を迎えてにぎやかになった。ばあやも盃を持たせられ、藤巻三之助が小謡をうたったりした。奈尾は絶えず空想と現実とのあいだをたゆたい、思いがけないときに声をあげて笑った。
「お庭に合歓木を植えましょう、ねえ」奈尾はこう半三郎にささやいた。
「そして花の咲くころにはわたくしたちもこのように宴げを催しましょう、わたくしたちがお爺さんになりお婆さんになったら、誰も招かずに二人だけで静かに宴げをいたしましょう、――ねえ」
「お望みならすぐにそうします」半三郎はそっと笑った、「けれどもまだ結婚の式もあげないうちから、爺さん婆さんの話は早すぎるでしょう」