후리가나로 읽는 일본 고전
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ねむのきのかげ
合歓木の蔭
山本 周五郎
山本 周五郎의 合歓木の蔭(ねむのきのかげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,740자 · 27화면
二
――それは結び文であった。
二
叔母はすぐ帰ると云いながら、ばあやのそのと長いこと話しこみ、日の傾いたのに驚いてあわてて座を立った。――袂に火でも入れているような気持で辛抱づよく待っていた奈尾は、叔母が去るとすぐに居間へはいり、その結び文を解いて読んだ。
――今宵十時よりお庭の合歓木の蔭にてお待ち申し上げそろ、神ぞしろしめせ、おいでなくばこの命ひとつ今宵かぎりにそろ。
新古今からでもとったらしい恋歌を一首添えて署名はただ「き」とだけ記してあった。奈尾の顔は蒼ざめた、けれども眼は酔ったように恍惚とうるみを帯び、それがしぜんと閉じられた。まちがいはない、あの眼のぬしである、烈しくいちずに、じっとこっちを凝視していたあの眼のぬしである。おそらく萩の廊下で袂へ入れられたものだろう、とすれば自分はその人を見たかもしれない。――奈尾の躰をしびれるような感覚がはしり深いあえぐような溜息が出た。
むろんそれは長い時間のことではない、奈尾はすぐに身震いをして眼をあけた。罪を宣告するように叔母の言葉が思いだされたのだ――あなたにはこわいようなところがある、お祖母さまに似たのかも知れない、気をつけないとあぶない。