후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ゆめはよびかわす
夢は呼び交す
蒲原 有明
蒲原 有明의 夢は呼び交す(ゆめはよびかわす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,126자 · 210화면
箱入の唐墨がある。雌黄なんどの絵具類をまとめた袱紗包がある。そんなものが匣の大半を埋めていて、その上積のようになって、やや大型の女持の懐中物がある。
それは錦襴地の色の褪めた紙入であるが、開けてみると長方形の小さな鏡が嵌め込んであるのが目につく。鏡は曇っている。仕切りがあって、袋になっているところに、紙包がしまってある。鶴見がなつかしがるのは、これがその正体である。明治八年三月十五日出生隼男と明記した包の中から干乾びて黒褐色を呈したものがあらわれる。臍の緒である。
臍の緒の外に、も一つ、鶴見がいよいよなつかしがる記念品がはいっている。これには説明も何もない。それは当時はやった手札形の硝子写真である。わかい一人の女性が椅子に腰をかけている。小ざっぱりした衣装には、これも当時の風俗のままに繻子の襟がかかっている。顔は何かなしに窶れて見える。それで年の割にふけて見えるのではないかとさえ思われる。顔だちは先ず尋常である。珊瑚の釵もつつましい。よく気を入れて見ると、鬢の毛がちとほつれたまま写っている。顔に窶れの見えるのはそのためであるかも知れない。
写真はそれだけのものである。