후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 349,705자 · 678화면
九
この場合に、やはり、普通ならば、弁信も閑却されてはならないのです。北原一行の安否こころもとなしということの知らせは、弁信へも一応、報告がなければならないはずでしたが、どういうものか、この人たちのために全く忘れられていました。忘れられているほどによく眠っていたのです。あれからずっと眠り続け、最初の報告通り、三日間は恩暇で寝通すということが、誰に向っても諒解を得ているのですから、それは差支えないが、とにもかくにも、この場合の不安と憂慮とを、弁信に向っても頒たなければならないはずなのが忘れられていました。
九
熱田の明神の参宮表道路の方面は、あんなように大混乱でしたけれども、その裏の方、南の海へ向った方面は、打って変って静かなものです。
それというのは、海が見とおせるからのことで、見渡す限りの海のいずれにも黒船を想わせる黒点は無く、夜も眠られないという蒸気船の影なんぞは更に見えないで、寝覚の里も、七里の渡しも、凪ぎ渡った海気で漲り、驚こうとしても、驚くべきまぼろしが無いのです。
この時しも、お銀様は飄々として寝覚の里のあたりをそぞろ歩いておりました。お高祖頭巾にすらりとした後ろ姿。