후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,112자 · 362화면
お徳の面影が思われると、同じような月夜の晩に、月見草の多い庭で砧を打ちながら、
甲州出がけの吸附煙草
涙じめりで火がつかぬ
と得意の俚謡をうたったことが耳に残ります。眼の見えた以前の人は暫く措き、眼が見えなくなってから後の人の面影が知りたい。少しでも眼が見えるようになったとしたら、今までの絶望がまた新たなる希望として現われない限りはあるまい。
その時分は荒れ果てて狐狸の棲処となっていた蛇滝の参籠堂に、行者が籠りはじめたと麓の人が噂をはじめたのは、もはや百日ほど以前のことです。その後、夜な夜な女の姿をした人がこの参籠堂へ物を運んで、忍びやかに来ては、忍びやかに帰るということも人の噂に上りました。
人の噂とは言いながら、この山麓であるから、それが拡がったところで大した範囲ではありません。噂は噂だけにとどまって、誰しもその真相をたしかめようとの暇を作るものはありません。その時分こそ廃ったけれども、その以前は、この滝にかかってかなりの荒行をしたものさえあるとのことだから、隠れて行をする信心の行者を妨げるのを恐れ多いとして、やはり噂を噂だけにして、里人はあえて近寄ろうともしません。