후리가나로 읽는 일본 고전
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おおさかのゆううつ
大阪の憂鬱
織田 作之助
織田 作之助의 大阪の憂鬱(おおさかのゆううつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,647자 · 14화면
「かたはらに秋草の花語るらく
ほろびしものはなつかしきかな」
という牧水流の感情に耽ることも、許されていない。私の書かねばならぬのは、香りの失せた大阪だ。いや、味えない大阪だ。催眠剤に使用される珈琲は結局実用的珈琲だが、今日の大阪もついに実用的大阪になり下ってしまったのだろうか。
しかし大阪はもともと実用的だったとひとは言うだろう。違う。大阪以外の土地が非実用的すぎただけで、大阪には味も香もあったのだ。しかも、それはほかの土地よりも高かったのだと言えば、余りに身びいきになりすぎるかも知れないが、すくなくとも私は大阪は香りの高い、じっくりと味うべき珈琲だった筈だと、信じている。
もっとも、珈琲といえば、今日の大阪の盛り場(というのは、既にして闇市場のことだが)には、銀座と同じように、昔の香とすこしも変らぬモカやブラジルの珈琲を飲ませる店が随分出来ている。
しかし、私たちは、そんな珈琲を味うまえにまず、
「こんな珈琲が飲める世の中になったのか、しかし、どうして、こんな珈琲の原料が手にはいるんだろう」
と驚くばかりである。
といって、いたずらに驚いておれば、もはや今日の大阪の闇市場を語る資格がない。