후리가나로 읽는 일본 고전
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たじゅうとそのいぬ
太十と其犬
長塚 節
長塚 節의 太十と其犬(たじゅうとそのいぬ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,769자 · 32화면
熾烈な日光が更に其大玻璃器の破れ目に煌くかと想う白熱の電光が止まず閃いて、雷は鳴りに鳴って雨は降りに降った。そうしてからりと晴れた時、日はまだ西の山の上に休んで閉塞し困憊せる地上の総てを笑って居た。文造が畑に来た時いつも遠くから見えた番小屋の屋根はなかった。小屋は焼けて居た。四本の柱は焦げた儘地に立って居た。其他は灰になって湿って居た。家族のものが駈けつけて夕日の光に灰を掻き分けた時、仰向になった儘爛れた太十の姿を発見した。有繋に雷鳴を恐れたと見えて両手は耳を掩うて居た。屋根の裏に白い牙をむいた鎌が或は電気を誘うたのであったろうか、小屋は雷火に焼けたのである。小屋に火の附いた時はもう太十は何等の苦痛もなく死んで居た筈である。たった一人野らに居た一剋者の太十はこうして僅かの間に彼の精神力は消耗した。更に大自然の威力は気象の激変を駆って眇たる彼の恐怖心に強烈な圧迫を加えた。同時に其単純な生涯から葬り去った。犬の毛皮を貼った板は俯向に倒れて居た。そうして板の裏が僅かに焦げて居た。
(一九一〇年二月「ホトトギス」)