후리가나로 읽는 일본 고전
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,033자 · 22화면
三
それを追っ駆ける様に、今までにも無かったような巨大な浪が、地響き打たせて浜に砕けるのを見ると、笠森仙太郎はツクヅク自分というものの幸運を信じないわけにはいきません。
ボートがあったのも偶然なら、それを出せたのも偶然、美奈子を助けて帰るまで、大きい浪が一つも来なかったのは、まさに偶然中の偶然という外は無かったのです。
三
美奈子は笠森仙太郎に対して、どんなに感謝したかわかりませんが、それは併し危いところを助けられたということに対する、通り一ぺんの儀礼で、美奈子の心は相変らず、寸毫も丹波丹六から離れたとは思われません。
これだけの事で美奈子の心が、醜い笠森仙太郎に傾いたとすれば、それは五十年前の通俗小説の筋で、実際にはあり得ないことです。事実は全く笠森仙太郎に取ってはやり切れないものでした。娘の命を助けたというので皆川社長から鄭重な挨拶がありましたが、社内の地位や給与は、今では丹波丹六より遥かに低く、更に更に、笠森仙太郎が人を介して、それとはなしに美奈子に結婚を申し込んだのに対して、皆川社長から、まことににべも無い拒絶の言葉が、それも笠森仙太郎を恥かしめるような調子で言い渡されたのです。