후리가나로 읽는 일본 고전
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
壺井 栄의 妻の座(つまのざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 82,695자 · 165화면
「うん。」
ミネはまだ雀をみていた。毎朝こんなに雀がいたかしらとミネは考えていた。くちばしで土を蹴ちらすようにしているのは、そこにエサのあてがあるのだろうかと考えていた。何にもなさそうに見える黒土の上、あるのはえんどうの青い芽ばかりに思えるが、雀はえんどうには見むきもしなかった。ミネはふと、ずっと昔、新劇女優の山本安英が扮した「唐人お吉」を思い出したりした。山本安英のお吉が雀に残飯をまいてやるところだった。ああいう道をたどった女もいたのだ。幕末外交の犠牲となった女、美貌を商品のように扱われて、貢物にされたお吉が権力に対しての無意識の反発は自分を独りにするしかなかった。晩年のお吉が心を許していたのは朝々軒端を訪れる雀ばかりであったというのだ。極言すれば美貌が招いた女の不幸ともいえる。それでもお吉は雀にだけは気を許していたのだ。何というささやかなそれは慰めであったろう。それと似て、ひとりぼっちの世界へ自分をとじこめようとしている閑子にも、お吉の雀のように草や木へ心を許すようなところがあると、ミネはそんなことを考えた。身をもむような精神の苦しみの中でさえ季節を忘れずに蒔いた閑子のえんどうは、閑子の性格をそのまま、きちんとした間隔でみどりの葉を出している。