후리가나로 읽는 일본 고전
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うかのちょうじゃものがたり
宇賀長者物語
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 宇賀長者物語(うかのちょうじゃものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,427자 · 19화면
人魚を見たと云う壮い男は、それから二三日して夜遅く長者の邸を逃げだしました。数多の仲間といっしょに寝ていた塩小屋を這いだしてみると、庭には薄月が射しておりました。
壮い男は海岸を西へ西へ往きました。野茨の藪があったり、人の背丈よりも高い荻の生えたところがあったりしました。荻の大きな葉は人の来るように、ざらざらと鳴りました。そのたびに壮い男は心を顫わせました。
一里ばかり往ったところで、小さな野川の水が微白く現われました。川の縁には一軒の苫屋が黙黙として立っておりました。壮い男はその前に立って、どうして川を越したものかと考えておりました。苫屋の中からは四つの眼が光っておりました。そこは長者の家の見張でありました。壮い男は水際の蘆の中へ追い詰められて縛られました。
海から昇った真紅な朝陽が長者の家の棟棟を照らしておりました。背後手に縛られた壮い男は、見張の男に引摺られて母屋の庭前へはいって来て、土の上に腰をおろしました。起きたばかりの長者は、縁側に立って大きな欠伸をしておりました。
「旦那様、また一疋兎がかかりました」と云って、見張の男は鼻高高と云いました。