일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いえ

家

島崎 藤村

島崎 藤村의 家(いえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 126,748자 · 254화면

아오조라 문고

こういう処で顔を洗うということすら、お雪にはめずらしかった。

例の書生は手桶を提げて、表の方から裏口へ廻って来た。飲水を汲む為には、唐松の枝で囲った垣根の間を通って、共同の掘井戸まで行なければ成らなかった。

前の晩に見たよりは、家の内の住み荒された光景も余計に目についた。生家を見慣れた眼で、部屋々々を眺めると、未だ四辺を飾る程の道具一つ出来ていなかった。

書生はよくお雪の手伝いをした。不慣な彼女が勝手で働いている間に、奥の方の庭までも掃除を済ました。バケツを提げて、その縁側へお雪が雑巾掛に行ってみると、丁度躑躅の花の盛りである。土塀に近く咲いた紫と、林檎の根のところに蹲踞ったような白とが、互に映り合て、何となくこの屋根の下を幽静な棲居らしく見せた。土塀の外にもカチャカチャ鍋を洗う音などがした。向の高い白壁には朝日が映って来た。

飯の用意も出来た。お雪は自分の手で造ったものを炉辺の食卓の上に並べて、夫にも食わせ、自分でも食った。書生も楽しく笑いながら食った。世帯を持って初めての朝、味噌汁も粗末な椀で飲だ。お雪が生家の知人から祝ってくれたもので、荷物の中へ入れて持って来た黒塗の箸箱などは、この食卓に向きそうも無かった。