후리가나로 읽는 일본 고전
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まぼろしのたて
幻影の盾
夏目 漱石의 幻影の盾(まぼろしのたて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,372자 · 45화면
とウィリアムが高く盾を翳す。右に峙つ丸櫓の上より飛び来る矢が戞と夜叉の額を掠めてウィリアムの足の下へ落つる。この時崩れかかる人浪は忽ち二人の間を遮って、鉢金を蔽う白毛の靡きさえ、暫くの間に、旋る渦の中に捲き込まれて見えなくなる。戦は午を過ぐる二た時余りに起って、五時と六時の間にも未だ方付かぬ。一度びは猛き心に天主をも屠る勢であった寄手の、何にひるんでか蒼然たる夜の色と共に城門の外へなだれながら吐き出される。搏つ音の絶えたるは一時の間か。暫らくは鳴りも静まる。
日は暮れ果てて黒き夜の一寸の隙間なく人馬を蔽う中に、砕くる波の音が忽ち高く聞える。忽ち聞えるは始めて海の鳴るにあらず、吾が鳴りの暫らく已んで空しき心の迎えたるに過ぎぬ。この浪の音は何里の沖に萌してこの磯の遠きに崩るるか、思えば古き響きである。時の幾代を揺がして知られぬ未来に響く。日を捨てず夜を捨てず、二六時中繰り返す真理は永劫無極の響きを伝えて剣打つ音を嘲り、弓引く音を笑う。百と云い千と云う人の叫びの、はかなくて憐むべきを罵るときかれる。去れど城を守るものも、城を攻むるものも、おのが叫びの纔かにやんで、この深き響きを不用意に聞き得たるとき耻ずかしと思えるはなし。