후리가나로 읽는 일본 고전
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면
或る日なんぞは、そういう自分の目の前に女の子のもつ手毬くらいの大きさの紫いろの花がぽっかりと咲いているのに気がついたが、すぐそれへは手を出さずに、ひとしきり泣いたあとで、漸っと許されたように、それをおずおずと掌にのせて弄んだりしていたこともある。(註二)
そうやって私が庭の一隅にいつまでも身をひそめていると、そのうちに漸っとおばあさんが私を捜しに来た。いつもの私の隠れ場をよく知り抜いているくせに、おばあさんはわざとそういう私に気がつかないようなふりをして、何度も私の名を呼びながら、私の方へ近づいてきた。そうして私と隠れん坊でもしていたかのように、彼女のすぐ目の前に私を見つけて、わざとびっくりして見せた。それからもうそんな遊戯が終ったとでも云うように、「さあ、もうおうちん中へはいろうね」とおばあさんは私にやさしく言葉をかけて、私の手を無理にとった。私はちょっと抗って見せたが、自分が頑張っていればおばあさんの力ではどうにもならないのを知っているものだから、身ぶりだけで抵抗しいしい、おばあさんの手に引っ張って行かれるがままになっていた。自分の悲しみがすべてを好いほうに向わせたらしいことに、一種の自負に近いものを感じながら……