후리가나로 읽는 일본 고전
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면
エピロオグ
……
やっと授業が終ったとき、私は「有難う」ともいわずに、その鉛筆をそっとお竜ちゃんの方へ返しかけた。しかし、その鉛筆は私の置き方が悪かったので、すぐころころと私の方へころがって来てしまった。――そのときは、みんなはもう先生に礼をするために起立し出していた。私もその鉛筆を握ったまま立ち上がった。礼がすむと、女の生徒たちは急にがやがや騒ぎ出しながら、教室から出て行った。お竜ちゃんは他の生徒たちの手前、最後まで私を知らない風に押し通してしまった。そのため、彼女の貸してくれた使い古しの短かい鉛筆は、そのまま私の手に残された。
エピロオグ
私は、自分の最初の幼時を過ごした、一本の無花果の木のあった、昔の家を、洪水のために立退いてしまってから、その後、ついぞ一ぺんも行って見たことがなかった。
私は、いま、この幼年時代について思い出すがままに書きちらした帳面を一先ず閉じるために、私がもう十二三になってから、本当に思い設けずに、その昔の小さな家を偶然見ることになった一つの話を此処に付け加えておきたい。
その頃私たちの同級生に、緒方という、母親のいない少年がいた。