후리가나로 읽는 일본 고전
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면
実は去年も私達はそれを借りかけて、矢っ張宿の主の不二男さんと一緒にそれを見に行ったことがあった。
「夏になると、これに豆の花が咲いてなかなか好くなるよ。」そのとき私は妻にそんな説明をしながらその家の入口を指し示した。
「『道のべは人の家に入り豆の花』――これは犀星先生の句だがね。ちょっとそんな感じだ。」
が、はじめてその家のなかへはいって見て、案外方々が傷んでいるのに驚いた。その上、家のすぐ裏のわずかな空地にもってきて、外からは見えなかったが、納屋のようなものが立っていて、家全体がいかにも暗ぼったい感じがするので、「あれは何なの?」ときいてみると、「それはいずれ取壊そうと思っていますが……」と不二男さんは言って、その小屋には日向さんの爺やがしばらく仮住みしていたが、その前年の冬にそこで死んで行ったことを包まずに話した。
「ここの家、傷んでいるだけ位ならいいんだけれど、あんなものがあっては」……妻はそう私にそっと耳打ちしたが、それには私も同感だった。若しかすると昔ちょいちょい見かけたことのあるその死んだ爺やの顔――目つきのこわい、因業そうな爺やの顔がふいとその瞬間鮮かに浮んで来ただけ、その閉された小屋は妻がそれをうす気味悪がった以上に、私自身の心に暗い影を与えているにちがいなかった。