일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おもいでのき

思い出の記

小泉 節子

小泉 節子의 思い出の記(おもいでのき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,841자 · 62화면

아오조라 문고

ヘルンが日本に参りましたのは、明治二十三年の春でございました。ついて間もなく会社との関係を絶ったのですから、遠い外国で便り少い独りぽっちとなって一時は随分困ったろうと思われます。出雲の学校へ赴任する事になりましたのは、出雲が日本で極古い国で、色々神代の面影が残って居るだろうと考えて、辺鄙で不便なのをも心にかけず、俸給も独り身の事であるから沢山は要らないから、赴任したようでした。

伯耆の下市に泊って、その夜盆踊を見て大層面白かったと云いますから、米子から船で中海を通り松江の大橋の河岸につきましたのは八月の下旬でございます。その頃東京から岡山辺までは汽車がありましたが、それからさきは米子まで山また山で、泊る宿屋も実にあわれなものです。村から村で、松江に参りますと、いきなり綺麗な市街となりますので、旅人には皆眼のさめるように驚かれるのです。大橋の上に上ると東には土地の人の出雲冨士と申します伯耆の大山が、遥かに冨士山のような姿をして聳えて居ります。大橋川がゆるゆるその方向へ流れて参ります。西の方は湖水と天とぴったり溶けあって、静かな波の上に白帆が往来しています。