후리가나로 읽는 일본 고전
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 悪魔の紋章(あくまのもんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,280자 · 301화면
「オオ、貴様は川手庄兵衛じゃないか」
と叫んだ。
それを聞くと、賊もギョッとした様子であったが、賊よりも節穴から覗いている川手氏の方が一層の驚きにうたれた。アア何という事だ。川手庄兵衛といえば、川手氏の亡父と同じ名前ではないか。明治時代らしいこの光景と、庄兵衛と呼ばれた男の年齢とも、ぴったり一致している。この当時には、亡父は丁度あのくらいの年輩であったに違いない。気のせいか、賊の姿や声までが、十歳の頃に死に別れた父親とそっくりのような気さえするのだ。
気でも違ったのか、夢を見ているのか、こんな不可思議な時間の逆転が起るなんて、五十近い息子が、自分よりも若い頃の父親の姿を、かくまでまざまざと見せつけられようとは。しかも、その父親は泥棒なのだ。ただの泥棒ではない、兇悪無残な持兇器強盗なのだ。
川手氏はもう別世界の景色を眺めているような呑気な気持ではいられなかった。鼻の頭が痛くなる程、板壁に目をくッつけて、まるで、我が心の中の奇怪な秘密でも隙見するような、怖いもの見たさの、世にも異様な興奮に引入れられて行った。
川手庄兵衛と呼びかけられた賊は、一応はギョッとしたらしい様子であったが、忽ちふてぶてしく笑い出した。