후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 悪魔の紋章(あくまのもんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,280자 · 301화면
異様な旅行者
間もなく、応接間の窓のブラインドやドアが元のように開かれ、宗像博士と、ソフト帽と外套の襟で顔を隠した異様の人物とは、偽物の川手氏をあとに残して、さりげなく川手邸を辞去した。ソフト帽と外套の男が、替玉と入れ替わった本物の川手氏であったことは云うまでもない。同氏は咄嗟に取纒めた重要書類と当座の着換えを詰めたスーツ・ケースを、外套の袖に隠すようにして下げていた。
二人は書生に送られて、玄関を出ると、門前に待たせてあった、宗像博士の自動車に乗り込んだ。
「丸の内の大平ビルまで」
博士の指図に従って車は動き出した。
「近藤さん、サア、これからが大変ですよ。色々意外なこともあるでしょうが、驚いてはいけません。一切僕にお任せ下さるんですよ」
博士は川手氏を近藤さんと呼ぶのだ。
「お任せします。だが、山梨県へ行くのに、丸の内というのは、どうした訳ですか。汽車は新宿駅からでしょう」
と川手氏が不審を起して訊ねると、博士はいきなり口の前に指を立てて「シーッ」と制しながら、
「だから、お任せ下さいというのです。これから妙なことが幾つも起る筈ですから、びっくりなさらないように。