후리가나로 읽는 일본 고전
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おもいで
想い出
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 想い出(おもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,792자 · 8화면
十五、六歳になってからは、しばらく釣りから遠ざかった。学校の方が忙しかったからである。
二十歳前後になって、またはじめた。
母と共に、二年続けて夏を相州小田原在、松林のこんもりとした酒匂村の海岸に過ごしたことがある。炎天を、毎日海辺の川尻の黒鯛釣りやはや釣りに専念して、第一年の夏は終わったのであったが、第二年は六月のはじめから鮎釣りをやってみた。
五月下旬のある日、ふと東海道の木橋の上手にある沈床の岸に立って瀬脇をながめると、遡りに向かった若鮎が盛んに水面に跳ねあがるのを発見した。
『この川にも、鮎がたくさんいるのだな』
と、昔の友に会ったように感じた。
子供の時から利根川で、父と共に若鮎に親しんでいた私であるから、ここで鮎の跳ねるのを見て、矢も楯も堪らなくなったのは当然であった。すぐその足で、小田原町本町一丁目の『猫』という異名を持つ釣り道具屋へ訪ねて行って、竿と毛鈎を求めたのである。まだその頃は、関東地方へきている加賀鈎や土佐鈎の種類も少なく、私は青お染、日ぐらし、吉野、そのほか二、三を選んだのであった。
竿は、若鮎竿として我が意を得たものがなかったから、長さ二間ばかりの東京出来の鮒竿で、割合にしっかりしたものを買った。