후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,655자 · 406화면
「めんどうくさい、帰りましょうか」
大きな事をいいながら、光明寺までには半分道も来ないうちに、下駄全体がめいりこむような砂道で疲れ果ててしまった葉子はこういい出した。
「あすこに橋が見える。とにかくあすこまで行ってみようや」
倉地はそういって海岸線に沿うてむっくり盛れ上がった砂丘のほうに続く砂道をのぼり始めた。葉子は倉地に手を引かれて息気をせいせいいわせながら、筋肉が強直するように疲れた足を運んだ。自分の健康の衰退が今さらにはっきり思わせられるようなそれは疲れかただった。今にも破裂するように心臓が鼓動した。
「ちょっと待って弁慶蟹を踏みつけそうで歩けやしませんわ」
そう葉子は申しわけらしくいって幾度か足をとめた。実際そのへんには紅い甲良を背負った小さな蟹がいかめしい鋏を上げて、ざわざわと音を立てるほどおびただしく横行していた。それがいかにも晩春の夕暮れらしかった。
砂丘をのぼりきると材木座のほうに続く道路に出た。葉子はどうも不思議な心持ちで、浜から見えていた乱橋のほうに行く気になれなかった。しかし倉地がどんどんそっちに向いて歩き出すので、少しすねたようにその手に取りすがりながらもつれ合って人気のないその橋の上まで来てしまった。