일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면

아오조라 문고

安土の城廓では、そこの色彩に消されてしまう秀吉の装いも、この簡素な一庵の中にあっては、その陣羽織といい具足といい、独り燦爛と見えて、ひどく厳めしい。

「…………」

半兵衛は身を低めたまま、後から縁を上がって来た。見れば、煤竹の一節を切った花入れに、一輪の白菊を挿けてささげている。静かに、秀吉の横へ坐って、菊の姿のくずれぬ程に、そっと床脇においた。

野にあっては、さほどでもない菊も、ここに置かれると、はからずも薫々と香のたかいことが知れる。――秀吉はひそかにこう察した。病褥は片づけても薬の香や寝臭いものが漂っているのを畏れて、焚香のかわりに取りあえず、この一花をもってそれを浄めたものであろうと。

「かまうな。気づかうな」

秀吉は、こう宥わって、

「半兵衛。……そのように起き出ても、大事はないのか」

と、案じ顔に見まもった。

半兵衛は、遠く退って、あらためて拝礼した。しかし慇懃のうちにも、主君の来訪をよろこぶ容子が面にあふれていた。

「御心配くださいますな。先頃からちと晩秋らしい寒さがつづきましたので、大事をとって、衾をかぶって籠っておりましたが、きょうあたりは暖こうござりますゆえ、起き出そうかと思うていたところでした」