일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 176,911자 · 353화면

아오조라 문고

「只事には非ず」

とする巷説を裏書して、いやが上にも領下の不安を募らせていた。

真相は伝わり難いものだが、またぞろ、信雄秀吉間の不和が、濃密な複雑さをつつんで、再燃して来たことは確かだった。それも今度は、去年の情勢以上、極めて険悪なものを孕み、しかも事態はもう逼迫している――となす人心の底気流は早や全国的ですらあった。

当然、信雄の位置は、颱風の中心にあった。かくなれば、彼にも大いに恃むものがあるようだった。由来、保守的な彼が常に秘策と信じているのは、両天賭けの二面主義だった。あっちがいけなければこっちへつく。また、一致したと見せても、俺にはまちがえば別に他の後ろ楯はあるぞ、という虚勢をその一致者へ仄めかしておく。それは彼自身が、始終、そういう万一のときの黒幕を持たなければ安心していられないためでもある。

信雄の胸には、今その黒幕の者が大きく呼び起されていた。東海浜松の臥龍、従三位参議徳川家康こそ、恃みとしていた者だった。

家康は、明けてこの二月、権中将から再び昇官していた。旧来の位置も、近来の実力も、その存在は大坂の秀吉といよいよ対蹠的な重さを加えている。