후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
また、賤ヶ嶽方面の味方については、何か知るところはないかと訊ねると、村民たちは、口を揃えてこう告げた。
「――つい今し方のこと、賤ヶ嶽の桑山重晴様は、砦のお手勢をみな率きつれて、木之本の方へと、山伝いに、急いでおいでなされました」
これは、長秀を唖然とさせた。
加勢して、共にそこへ楯籠ろうとして来たのに、当の桑山隊は、中川隊の全滅もよそに、持場を捨てて、早くも落ちて行ったとある。何たる醜態、何たる心事。長秀は修理重晴のあわて方に愍れみすら覚えた。
「村民ども、見かけたのは、今し方と申したの」
「はいはい。まだ十町とは遠ざかっていないと存じまする」
「……猪之助」
と、長秀は徒士の一名を呼び出して、急にいいつけた。
「桑山隊を追いかけて、修理殿に会い、長秀、これまで参ったる由を告げ、共に賤ヶ嶽を守るべし。早々、引っ返されよ……と申して来い」
「承知仕りました」
使番安養寺猪之助は、馬に鞭をあてて、木之本の方へ急いだ。今朝来、中川瀬兵衛へ向って、退陣の諫めを再三くり返すのみで、協力にも出ず、ひたすら佐久間勢の猛襲に狼狽していた桑山重晴は、中川隊の全滅を知るや、いよいよ浮き足立てて、この味方の中核陣地の潰乱を前に、一弾一槍の反撃を試みず、賤ヶ嶽の持場を捨てて、今し、われがちの速度で落ちて行くところだった。