일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면

아오조라 문고

さっき、馬の背では、さしも疲れたかに見えた彼が、そこに立つと、毅然たる影を宇宙に印していた。彼には楽しみがあって疲れはないようである。危局が大なれば大なるほど、労苦が深ければ深いほど、正反対な生きがいを抱くのであろう。――逆境をのり越えて逆境を見返し得たときの快。これは大なり小なり年少から嘗めてきたものである。人生の至楽は、成るか成らぬかの苦しい境にあるとみずから称している所以でもある。

――が、今ここから間近な賤ヶ嶽、大岩山などを一望したとたんに、彼の面にはすでに勝算歴々たる余裕がのぼっていた。

しかし、彼は人一倍、用心ぶかい。彼の習性として、この際も、一応静かに目をとじていた。そして自己を、敵でもない味方でもない、大宇宙の上においた。天地の運行と、人間抗争の布図に眺め合わせ、彼勝つか、これ勝つかを、無私冷静に、大観してみた。――軍勢の多寡とか、わが羽柴軍がとか、この秀吉がとかいう、すべての自家撞着から脱却して、純無雑、宇宙の心となって、天意の答を聴いたのである。

やがて、秀吉は呟いた。

「まず、ざッとすんだ……」

そして、微笑を見せた。

「佐久間めが、青々と出たことよ。