후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
山上に耀く一基の金色標と、三十余名の決死の士は、そのまま、鳴りをひそめていたが、麓からの道あるを問わず、道なき所を問わず、それを目がけて、争い登る屈強な者の数は、刻々、姿を増すばかりである。
「……まだ、水盃を交わすぐらいないとまはある」
山上では、毛受勝助を始め、三十余名が、このわずかなひと刻を、岩間に滴々と湛えられた清水を掬み分けて、涼やかにさいごの心支度をしていた。
そのとき、勝助はふと、自分と共にある兄の茂左衛門と、弟の勝兵衛を見て、
「兄上は、ここを落ちて、郷里へお帰り下さい。三人の兄弟が、三人までも討死をとげては、家名が絶え、また、留守をしていらっしゃる母上の老後を見てあげる者がいなくなります。――兄上は、家を嗣ぐべきお方でもありますから、どうかここは」
すると、茂左衛門は、
「弟ふたりは、敵に討たせて、兄が、今帰りましたと、母上にお顔が合わせられるか。わしは残る。……勝兵衛、そちがいい、その方は去れ」
「嫌です」
「なぜ、嫌か」
「こんなとき、生きて帰ってくれたからというて、それを歓ぶような母上ではありませぬ。亡き父上も、きょうこそ、草葉の蔭で、われら兄弟を見ておられましょう。