후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
「長頼、恨むなよ。わしを」
又兵衛は、意外に打たれて、床に額をすりつけ、嗚咽に似た声でさけんだ。
「な、なにを仰せられますっ。慚愧にたえませぬ。ただ、死を仰せつけられませ」
「主君を思えばこそいうそちの言だ。何の、悪しく聞こう。……が善意の献言も、時により主家を危ううすることもある。かつは、余人の示しにも叱ったことじゃ。いつまで根に持たいでもよい。忘れろ、忘れろ」
村井長頼は、感涙にぬれまみれた面を、いつまでも、上げ得ないでいた。
慶次郎は、彼がゆるされたと見ると、すぐどこかへ、飛んで行ってしまった。寸時といえども、時をむだなく遊び跳ねている少年だった。
もう十四歳にもなるので、初陣にも連れて出ていい頃であるが、利家は、兄の子という預かり者に万一があってはと思うのか、または人いちばい才はじけたところのある甥の素質を見て、時を選んでいるのか、やかましいこともいわず、ほとんど、放ち飼いの小鳥のように、天性にまかせていた。
その慶次郎は忽ち、櫓の上へ駈けのぼっていたとみえ、
「ああ、見える見える」
何か、大声を放っていたが、ふたたび駈け下りて来ると、頻りに利家父子のすがたを捜しているふうだった。