일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면

아오조라 문고

いつにないこと――

と老母も、寧子も、他言をさしひかえて、燭のまたたきと共にじっといた。

姉婿の武蔵守には、折々、耳のいたいこともあるらしい。

が、秀吉が、かくも沁々、真面目に心事を語るのは、めずらしいことだった。それは彼が、いまや天下に為さん抱懐の緒を布ぶるに当って、この年の初めを、まさに重大な岐機と見、

(――外よりは、内に敗れぬ備え)

を、まず一族の武蔵守にそれとなく嘱しているものと思われる。

姉婿たる武蔵守も、そこは以心伝心、わかっている。それほど秀吉が自分に恃むところ篤いわけでもあると。

殊に、彼の長子孫七郎秀次(後の豊臣秀次)は、秀吉の手によって、三好康長の養子となり、まだ十六というに、河内北山で二万石という寵遇をうけてもいる。秀吉の母思いな天性は、骨肉すべてに及んでいた。いやその心情をもって、領民へも臨み、天下の民とも楽しんで暮そうというのが彼の人臣としての誓願らしく思われるのである。

けれど、彼が惧れているのは、その大誓願もまだようやく緒についたか否かにある今日、早くも自己の眷族や家臣のうちには、いまの小成をもってもう誇り驕るの風が絶無ではないことだった。