후리가나로 읽는 일본 고전
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
長谷川 時雨의 新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,172자 · 277화면
浜子もあまり遠くないところに移って来ていた。
「もう直に、練馬の、豊島園の裏へつくった家へ越すので『女人芸術』のと、あなたのとの判をこしらえてあげたいって。」
そういった浜子は、何処かさびしげだった。自分も、横浜のとても好い住居も若い時から造らせた好い箏も、なにもかも震災の難にあって、命だけたすかった、身に覚えのある痛手なので、
「江木さんもさびしいでしょうよ。」
と、たった一人の孤独なので、此処まで来るにも、手提げを二ツ、鍵やら銀行の帳面やら入れてさげてこれは大切だといったと語った。あの女性が――と、聴くものも、いうものも、ただ顔を見合った。また、その次だった。もうその時分には、練馬の新築に越していたのだが、
「江木さんところから今朝、真新らしい萌黄から草の大風呂敷包がとどいたから、何がこんなに重いのかと思ったらば、土のついた薩摩芋で。」
と、浜子はおかしがりながら、何か気にかかるふうでもあった。
それから間もなく、彼女は自殺したのだ。昭和五年の二月二十日、京都の宿で、紋服を着て紫ちりめんの定紋のついた風呂敷で顔を被って、二階の梁に首を吊っていた。
彼女は、愛媛県令関氏のおとしだねで、十六歳の女中の子に生れた。