일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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にちにちへいあん

日日平安

山本 周五郎

山本 周五郎의 日日平安(にちにちへいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,297자 · 56화면

아오조라 문고

三人は追って来なかった、「火事だ」とか「水だ水だ」という叫び声が聞える。もちろん火を消すほうが大事だろう、――菅田平野が石燈籠のところで振返ると、屋根と庇のあいだから灰色の煙が吹きだして、雨の中へとたなびき流れるのが見えた。

「これならわかるだろう」彼は煙を眺めながらつぶやいた、「――雨が邪魔だが、このくらい煙があがれば外から見えるに違いない」

廊下は人の駆けまわる足音や、わめき叫ぶ声でもみ返している。菅田平野は土蔵のほうへ振返った。すると、例のまん中にある土蔵の前に、中年の侍がいて、観音開きをあけようとしているのが見えた。

菅田平野は「あ」といって走りだした。

疑う余地はない。かれらは大事出来とみて、その中にいる人物をよそへ移すか、またはその場で片づけるつもりだろう。菅田平野は走りながら旅嚢と燧袋を投げだし、

「待て、その蔵に手をつけるな」

と、叫んだ。相手はこっちへ振向いた。そして、さっととびのいて刀を抜いた。

菅田平野はおどりかかった。抜いたまま持っていた刀を上段にふりあげ、走っていった勢いで真向から斬りつけた。相手は大きく脇へかわした。菅田平野はむろん相手を斬るつもりはない、井坂十郎太たちが討入って来るまで、その土蔵を守っていればいい、――相手にかわされた彼は、三間あまり駆けぬけ、追い打ちに備えて、