후리가나로 읽는 일본 고전
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
楠山 正雄의 日本の諸国物語(せっしょうせき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,040자 · 158화면
葛の葉はいつものとおり機に向かって、とんからりこ、とんからりこ、機を織りながら、少し疲れたので、手を休めて、うっとり庭をながめました。もう薄れかけた秋の夕日の中に、白い菊の花がほのかな香りをたてていました。葛の葉は何となくうるんだ寂しい気持ちになって、我を忘れてうっかりと魂が抜け出したようになっていました。その時外から、
「かあちゃん、かあちゃん。」
と呼びながら、遊び疲れた子供が駆けて帰って来ました。うっとりしていて、その声にも気がつかなかったとみえて、葛の葉が返事をしないので、不思議に思って子供はそっと庭に入ってみますと、いつものように機に向かっている母親の姿は見えましたが、機を織る手は休めて、機の上につっぷしたまま、うとうとうたた寝をしていました。ふと見るとその顔は、人間ではなくって、たしかに狐の顔でした。子供はびっくりして、もう一度見直しましたが、やはりまぎれもない狐の顔でした。子供は「きゃっ。」と、思わずけたたましいさけび声を上げたなり、あとをも見ずに外へ駆け出しました。
子供のさけび声に、はっとして葛の葉は目を覚ましました。そしてちょいとうたた寝をした間に、どういうことが起こったか、残らず知ってしまいました。